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アンズハウス Story 1【2020年1月5日更新】

 1991年に「アンの家」というカフェが西白井駅近くにできました。生演奏が聴ける素敵なカフェで、外国の方も大勢いらしていました。

 2013年、写真家で、冒険家でもあるマスターの松井氏がなくなり、奥様が一人で切り盛りしていました。

 2016年、子育てと両立することが大変だということで、奥様はついに暖簾を降ろすことを決意しました。

 駅前に名物カフェがなくなってしまい、寂しい思いをした人がたくさんいました。

 白井で22年間教員をしていた現オーナー奥山は、教え子が大人になったとき、「この街が、いつまでも誇りに思える。」「白井で育ってよかった。」と感じられるようにしたいという願いを込めて、早期退職をし、アンズハウスとして、アンの家跡地に生演奏の聴ける店を2017年4月にオープンさせました。

 奥山は飲食店経験皆無で、開店させてみても何をしていいかもわからず、右往左往するばかりでした。開店前に、料理教室に通ったり、「ナチュラルフードコーディネーター」の資格を取ったりもしました。しかし、実情は惨憺たるものでした。

 数多くいた常連さんも以前の店や松井マスターと奥山の比較をしながら、次第に去っていきました。予想はしていたことですが、ゼロからのスタートではなく、マイナスからのスタートとなりました。

 何度も崩れそうになる気持ちと後悔。それを支えているものの1つは、「この店を中心にして、駅前のストリートを華やかでにぎやかなものにする。」「大人になると出て行ってしまうこの街に、子どもたちがもっと愛着をもてるようにする。」「顔見知りを増やして、安全安心な街をつくる。」そのために、数多くのイベントを駅前でしていくのだ、という夢。

 「にししろい軒先市」という名のイベントを月一度定例で行うことにしました。路上ライブやマルシェ・フリーマーケットを西白井駅前通りで2018年4月から2019年の12月まで行いました。一人でおこなってきたイベントですが、次第に理解してくれる人が現れて、応援してくれたり、手伝ってくれたりするようになりました。

 崩れそうになる奥山の心を支えてくれるもう1つは、見返りを期待せずに、ただただ、店を支えようとしてくれる人たちの気持ちです。その気持ちに触れる度に、自分は世界一の幸せ者だと感じられ、恩返しのできない自分を恥ずかしく思いました。

 2020年になり、一緒にイベントをつくっていこうと提案してくれる人たちが現れました。そして、「Make Shiroi Weird」(メイクシロイウイアード)「おもシロイまちにしよう」という団体を設立することになりました。アメリカ・オレゴン州のポートランドをモデルにしました。

 奥山が考える理想的な街とは、変わり者でも、外国人でも、障害を感じられる人でも、誰でも受け入れられる街。やりたいことができる街。名前も知らない単なる顔見知りがたくさんいる街。遠くまで行かなくても身近に楽しみがある街。ビジネスが狭い地域で行える街。

自分が恩返しできるとしたら、店を続け、それぞれの夢が叶えられる環境をつくっていくことだと信じています。

 4年目にさしかかり、マイナスだったスタートから、やっとゼロ地点にたどりつけた気持ちです。X-JapanのToshiさんや中村中さんが出演したことのある伝説の「アンの家」にはかないませんが、夢のかなう街づくりに貢献できるよう、一歩ずつ進んでいきます。

アンズハウスStoryは、これからです。

(アンズハウス 奥山和美)

アンズハウス Story 2【2022年12月5日更新】

  2020年,飲食店として軌道に乗り始めたところでのパンデミック。

 アルバイトの方々にもしばらく休んでもらい,他の仕事を勧めました。お客様には,店内のご利用を控えてもらい,テイクアウトに力を入れた時期もあります。しかし,これは本来望んだ姿ではありません。

 いつの間にか,私は当初の目的も忘れ,ただ店を維持するためのお金を得ることしか考えなくなりました。

 2年半が経ち,国から頂いた協力金も底をつきかけて,6年目のテナント更新料を支払えば,終了となります。さらに,この後に店の売り上げが回復する見込みもありません。2022年10月末に冷静に考え直し,今までのことを思い返しました。

 「私は飲食店を経営するために,教員を辞めたのだろうか?ライブハウスを経営するために,大好きな子ども達と別れたのだろうか?」

 違います。「この学校で良かった。」と言って巣立っていった子ども達が,大人になるにしたがって,この街に興味をもてず,生活していける期待ももてずにいる状況を改善したいと思ったのです。駅前の名物カフェがなくなると知った時に,残りの人生をここで費やして,「巣立った場所で生きていける。ここで楽しみを見つけられる。人と知り合う幸福を味わえる。」という空間を作ろうと考えたはずでした。

 約5年半で何一つとして前に進んでいません。

 あと,半年。来年2023年6月まで一歩でも前に進んで,その上で店を閉じたいと思います。ただし,店の状況が改善され,継続できると判断したら,さらに長く続けていこうと思います。また,店を閉じたとしても,どこかに拠点を作って,挑戦を続けるつもりです。

 倒れるとしても,最後の瞬間まで,1mmでも前に!

(アンズハウス 奥山和美)

アンズハウス Story 3【2023年5月1日更新】

 結論から申し上げます。あと半年延長させてください。つまり,今年の12月末までの延長です。また,10月まで様子を見てから,その後のことは考えようと思います。ぶつ切り継続で,申し訳ありません。

 昨年末に,街に活気をつけるため,「にししろい軒先市」の出店料で,駅前イルミネーションができました。まだ,細々とした光ですが,その内側からは,太陽よりも強い光が出ているようです。今年の3月には,竹ランタンを皆で作って,道路沿いに並べていく活動を始めました。わたしが,ぼくが関わったイルミネーション。おれの,うちの作った竹ランタン。それが街の中で輝いていることで,街への愛着と,さらに発展していく希望が育っていけばよいなと思っています。私のやりたかったことが,もう少しで一歩進みます。

 2023年の1月に入ってから,奥山は,1日も休みなくここにいます。時には,風呂と着替えのためだけに家に戻り,往復1時間かけてまた戻ってきます。それを苦痛と思っていません。収支の状況が好転していくのが目に見えてわかるからです。

 本当に店を大切に思っている人たちは,寄付をするのではなく,店を使ってくださっています。

 毎月収支が約10万円ずつ伸びているのは,そういった方が増えているからです。貴重な人生の時間をこの店で使ってくれていると思えば,店は,どんな財産よりもそういった人たちを守らなければならないと思っています。

 今年に入って一つだけ,苦痛となることができました。

 この店は大家さんの所有物ですが,「店を必要と思って利用している人たち」のものでもあります。私もその1人です。この店を侮辱するような言動は,そういった多くの人たちを侮辱することと同じです。弱って困っている人間の弱みをうまく操作して,自分の支配下に置こうとする言動。店の状況を見て,「助けてやるよ。」という自分の優越感を満たそうとする言動。今までになく,敏感に感じます。そのたびに,胸が痛みます。怒りすら感じます。

 ただ,お金が入ればよいというわけではなく。

 ただ,人がたくさん来ればよいというわけではなく。

 文化・芸術・音楽が人類を生き残らせたという説があります。力も知恵もない私たちが,過酷な環境で,他の種族よりも生き延びられたのは,なぜか。数万年前の洞窟の中,祖先によって作られた石のフルート。物語を感じさせる壁画。芸術的な装飾のある道具。

 支配力を振りかざし,優位に立とうとする人も,きっとこの世界には必要なのだと思います。しかし,この店が必要とする人は,この店を必要と思って使ってくださる方たちです。心から文化・芸術・音楽を愛し,守ろうとする方たちです。

 店の価値が,店への需要を上回っていた今までの状況(価値≧需要)から,逆転することを信じて。

 

 追記

 竹ランタン作成にあたりましては,ひまわりオーガニックファームさんと神野工務店さんのお力をお借りして,進めることができました。白井市には,こんなに温かい気持ちをもった農園と工務店があることを誇りに思います。

  

(アンズハウス 奥山和美)

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